脂肪溶解注射の効果とリスク・デメリットを解説
監修医師プロフィール
アリエル美容クリニック 院長/医師
鈴木桂介
- 帝京大学医学部医学科 卒業
- 順天堂大学練馬病院
- 越谷市立病院
- 都立大塚病院
- 大手美容クリニック 川越院院長
- アリエル美容クリニック開業
脂肪溶解注射は、手軽に特定の部位の脂肪を減らすことができる美容医療の一つです。
運動や食事制限では難しい部分痩せが期待できるため、顔やボディのシェイプアップを目指す多くの方に利用されています。
しかし、効果には限界があり、またリスクやデメリットも存在します。
本記事では、脂肪溶解注射の効果、期待できる部位、リスクやデメリットについて詳しく解説し、失敗しないためのポイントもご紹介します。
脂肪溶解注射とは
脂肪溶解注射とは、特定の部位に注射を打つことで、その部位の脂肪細胞を溶解・破壊し、部分的な痩せを促す美容施術です。
脂肪吸引のような外科的手術を伴わないため、比較的リスクが少なく、ダウンタイムが短いことが特徴で、1週間程度が一般的です。
注射により脂肪細胞を減少させる製剤を注入し、脂肪細胞の膜を破壊して体内に脂肪を放出させます。
そしてその後、脂肪はリンパ系を通じて排出されます。
お顔向け脂肪溶解注射
お顔向けの脂肪溶解注射は、特に頬やアゴ下に効果を発揮します。
フェイスラインをシャープに整え、小顔効果を得たい方に人気です。
顔は体に比べて脂肪の量が少ないため、少量の脂肪溶解注射で効果が見えやすくなります。
顔全体が引き締まり、輪郭がはっきりとするため、老け顔やむくみが気になる方にも効果的です。
BNLSなどの薬剤は顔に適した成分が含まれており、腫れや痛みが少なく、比較的短いダウンタイムで済むため、日常生活への影響が少ないのも特徴です。
ボディ向け脂肪溶解注射
ボディ向けの脂肪溶解注射は、主に二の腕やお腹、太ももなど、部分的に脂肪が付きやすい部位に適しています。
運動やダイエットでは落としにくい部位に対して施術が行われることが多く、シェイプアップや部分痩せを目指す方に人気です。
特に、体の大きな脂肪の塊を減少させるためには、複数回の施術が必要になることが一般的です。
ボディ向けの脂肪溶解注射は、お顔に比べて施術後のダウンタイムがやや長くなる傾向があり、内出血やむくみが起こりやすい場合があります。
脂肪溶解注射の種類と作用メカニズム
脂肪溶解注射にはいくつかの種類があり、それぞれの薬剤が異なるメカニズムで脂肪を溶解します。
施術を受ける際には、使用される薬剤やその効果を理解することが重要です。
PPC、BNLS、カベルラインなど
・PPC(フォスファチジルコリン)
PPCは、体内の脂肪を分解する酵素を活性化し、脂肪細胞を減少させる働きを持つ薬剤です。
効果が高く、比較的大きな脂肪の塊にも適用できますが、施術後に腫れや痛みが伴うことがあります。
・BNLS
BNLSは、主に顔用に使用される脂肪溶解注射で、植物由来の成分が配合されています。
腫れや痛みが少なく、ダウンタイムが短いのが特徴です。
顔の脂肪に特化しており、フェイスラインの引き締めや小顔効果を期待できます。
・カベルライン
カベルラインは、脂肪細胞膜を破壊して脂肪を分解し、体外に排出する効果を持つ薬剤です。
比較的高い効果が期待でき、ボディの部分痩せにも効果的ですが、ダウンタイムや腫れが生じることがあります。
脂肪吸引と脂肪溶解注射の違い
脂肪吸引は、手術によって脂肪細胞を物理的に取り除く外科手術です。
一度に大量の脂肪を除去でき、即効性が高いのが特徴ですが、全身麻酔や長いダウンタイムが必要であり、手術後のリスクもあります。
一方、脂肪溶解注射は、注射によって脂肪を溶かすため、リスクが少なく、ダウンタイムが短いのがメリットです。
ただし、一度に除去できる脂肪量は限られており、効果が現れるまでに数回の施術が必要になることがあります。
手術を避けたい方や、部分的な脂肪を少しずつ減らしたい方には脂肪溶解注射が適しています。
脂肪溶解注射の効果が期待できる部位
脂肪溶解注射は、顔や体のさまざまな部位に適用できますが、部位によって効果の出方が異なります。
ここでは部位ごとの効果を紹介します。
顔(頬・アゴ)
顔の脂肪溶解注射は、主に頬やアゴ周りの脂肪をターゲットにします。
フェイスラインをすっきりさせ、小顔効果が得られるため、顔の輪郭が気になる方に人気です。
特に、二重アゴや頬のたるみが気になる方にとっては、脂肪溶解注射が有効です。
顔の脂肪は体に比べて少量のため、少しの施術で効果を実感しやすいのが特徴です。
二の腕
二の腕の脂肪は、日常の運動では落としにくい部位の一つです。
脂肪溶解注射を使用することで、部分的に脂肪を減らし、二の腕を引き締める効果が期待できます。
特に、夏に向けてシェイプアップを目指す方や、体のバランスを整えたい方に適しています。
注射による施術のため、ダウンタイムが短く、日常生活に影響を与えにくいのもメリットです。
太もも・お腹は効果が限定的
脂肪溶解注射は、太ももやお腹の脂肪にも使用できますが、これらの部位は脂肪の量が多いため、効果が限定的になることがあります。
大きな脂肪の塊を一度に除去するのには向いておらず、複数回の施術が必要です。
また、ボディの脂肪は顔に比べて深部にあるため、注射の効果が現れるまでに時間がかかることが多いです。
こうした部位では、脂肪吸引などの他の施術との併用が検討される場合もあります。
脂肪溶解注射のリスク・デメリット
脂肪溶解注射はリスクが少ない施術とされていますが、いくつかのデメリットや副作用が存在します。
施術を受ける際には、これらのリスクを理解し、慎重に判断することが大切です。
すぐに効果が出るわけではない
脂肪溶解注射は、効果がすぐに現れる施術ではありません。
注射によって溶解された脂肪細胞は、体内のリンパや血流を通じて少しずつ排出されます。
このため、効果を実感するまでには1〜2週間以上かかることが一般的です。
また、1回の施術では十分な結果を得ることが難しく、複数回の施術が必要です。
特に脂肪量が多い部位や、ボディの脂肪溶解注射の場合には、3〜5回程度の施術を行わなければ、目に見える効果が得られないこともあります。
そのため、即効性を求める方には不向きです。
複数回の施術が必要
脂肪溶解注射は、1回の施術で大幅な体型変化を望むのは難しく、複数回の施術を重ねる必要があります。
脂肪が少量ずつ溶解し、体外へ排出されるため、希望する体型やスリムなラインを実現するためには、通常3回以上の施術が必要です。
施術を受ける回数や間隔は、施術部位や脂肪の量によって異なりますが、1回ごとに少しずつ効果が現れるため、理想の結果を得るまでには時間がかかります。
医師とのカウンセリングで、具体的なスケジュールを立てることが重要です。
腫れや内出血、むくみなどの副作用
脂肪溶解注射は、注射による軽度の侵襲が伴うため、施術後には腫れや内出血、むくみといった副作用が見られることがあります。
特に、顔やアゴの施術後には、注射部位が腫れ、数日間むくみが続くことが一般的です。
内出血は体質や施術の技術によって異なり、軽度のものから目立つものまでさまざまです。
副作用が出た場合には、冷却や保湿ケアを行い、医師の指導に従って適切に対処することで、比較的短期間で回復します。
ダウンタイムは全くないわけではない
脂肪溶解注射は、手軽に受けられる施術として広く知られていますが、完全にダウンタイムがないわけではありません。
施術部位によっては、腫れや赤み、内出血が数日から1週間ほど続くことがあり、特に顔周りの施術を受けた場合は、見た目にも影響が出ることがあります。
仕事やイベントのスケジュールに合わせて施術を計画し、数日間のダウンタイムを考慮することが大切です。
ダウンタイム中には、激しい運動や飲酒を控え、患部をできるだけ安静に保つことが推奨されます。
リバウンドの可能性がある
脂肪溶解注射によって脂肪細胞は減少しますが、施術後に過度な食事や運動不足が続くと、残った脂肪細胞が再び肥大し、リバウンドする可能性があります。
脂肪溶解注射はリバウンドしにくい施術とされていますが、施術後の生活習慣によって結果が大きく左右されます。
特に、体脂肪率が高い部位に施術を受けた場合、効果を長く維持するためには、施術後の食事管理や運動が不可欠です。
健康的なライフスタイルを維持することで、脂肪の再蓄積を防ぐことができます。
失敗すると輪郭の崩れや頬のこけが起こりうる
脂肪溶解注射が失敗した場合、特に顔への施術では、輪郭が不自然に崩れたり、頬がこけてしまうことがあります。
過剰な脂肪除去や不均一な脂肪溶解が原因で、バランスの悪い仕上がりになるリスクがあります。
顔の脂肪は体に比べて薄いため、注入量や施術部位の精密な計画が必要です。
不自然な仕上がりを避けるためには、経験豊富な医師による施術が求められます。
輪郭が崩れた場合、修正手術が必要になることもあるため、初回の施術での成功が重要です。
脂肪溶解注射で失敗しないためのポイント
脂肪溶解注射で理想的な結果を得るためには、施術前の準備や医師選びが重要です。
以下のポイントを押さえることで、失敗を避けることができます。
カウンセリングで適応を判断する
施術前のカウンセリングは非常に重要です。
脂肪溶解注射はすべての部位に適用できるわけではなく、効果が出やすい部位と出にくい部位があります。医師とのカウンセリングで、脂肪の量や施術希望部位が脂肪溶解注射に適しているかをしっかり確認しましょう。
また、脂肪溶解注射の限界やデメリットについても、カウンセリング時に正確な説明を受け、理解しておくことが大切です。
自身の体質や希望に合った施術法を選ぶためには、十分な情報を得ることが不可欠です。
経験豊富な医師・クリニック選び
脂肪溶解注射は、技術と経験を持った医師による施術が求められます。
特に顔やデリケートな部位への注射では、注入量や施術部位のバランスが非常に重要です。
経験豊富な医師を選ぶことで、失敗のリスクを軽減し、自然で美しい仕上がりが期待できます。
また、施術後のフォローアップが充実しているクリニックを選ぶことも重要です。
クリニックの口コミや評判を確認し、信頼できる医師に相談することが、成功への第一歩です。
術後ケア(マッサージ、水分補給など)
脂肪溶解注射の効果を最大限に引き出すためには、術後のケアが不可欠です。
注射後は、施術部位を軽くマッサージすることで、脂肪の分解を促進し、効果を高めることができます。
また、十分な水分補給を心がけることで、体内の老廃物や溶解された脂肪を早く排出することが可能です。
激しい運動やアルコールの摂取は、施術後しばらくの間控えるべきです。
術後のケアをしっかり行うことで、効果を長持ちさせ、リスクを最小限に抑えることができます。
アリエル美容クリニック大宮院の脂肪溶解注射
アリエル美容クリニック大宮院では、患者様の目的に応じた脂肪溶解注射を使用して、効果的な部分痩せを提供しています。
顔やボディのさまざまな部位に対応しており、患者のニーズに合わせた施術プランを提案しています。
BNLS ultimate(顔用脂肪溶解注射)
数回の施術で、フェイスラインが引き締まり、二重アゴやむくみが軽減される効果があります。
BNLS ultimateは、腫れや痛みが少ないため、日常生活に大きな支障をきたすことなく施術を受けることが可能です。
脂肪溶解だけでなく、肌の引き締め効果もあり、総合的なアンチエイジングを目指す方に最適です。
脂肪を減らしつつ、肌を滑らかに整え、ハリを取り戻す効果が期待できます。
施術後の経過をしっかり観察し、定期的なメンテナンス施術を行うことで、より持続的な結果が得られます。
最新薬剤 FatXcore
FatXcoreは、脂肪溶解注射の中でも最新の薬剤で、効果が高いことで注目されています。
従来の脂肪溶解注射と比べ、脂肪細胞をより効果的に分解し、短期間で目に見える結果が期待できる点が特徴です。
特に、顔だけでなくボディにも適用できるため、二の腕やお腹、太ももなど、脂肪が気になる部位に対しても使用されています。
FatXcoreは脂肪細胞自体を破壊する作用を持つため、長期的に脂肪の再蓄積が起こりにくく、リバウンドしにくい施術としても注目されています。
短期間で効果を実感できるため、忙しい方や即効性を求める方におすすめです。
症例写真※施術前後の写真を掲載
症例写真は、施術を検討している方にとって重要な参考資料です。
脂肪溶解注射を受けることで、具体的にどのような変化が得られるのかを視覚的に確認できるため、施術前後の写真をチェックすることで、施術後のイメージを明確に持つことができます。
特に、顔の脂肪溶解注射では、二重アゴやフェイスラインがどれほどシャープになるのかを写真で確認でき、安心して施術を受けられる材料となります。
また、ボディの症例写真では、二の腕やお腹の脂肪がどのように減少するのかを見ることができ、脂肪溶解注射の効果を客観的に理解できます。
脂肪溶解注射についてのよくある質問
脂肪溶解注射に関して、よくある質問をまとめました。
施術を検討している方は、これらの質問を参考にし、疑問点を解消してから施術に臨むことが大切です。
費用について
脂肪溶解注射の費用は、施術部位や使用する薬剤、回数によって異なります。
一般的に、顔の小規模な施術であれば1回あたり3〜5万円程度、ボディの大きな部位の場合は10万円以上かかることもあります。
また、効果を持続させるためには、複数回の施術が必要になるため、トータルでの費用が高額になることもあります。
費用については、事前にクリニックで詳しい見積もりを確認し、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
クリニックによっては、パッケージ料金や分割払いのオプションも用意されています。
脂肪はどうなるのか
脂肪溶解注射によって溶解された脂肪細胞は、体内のリンパや血液を通じて、最終的に体外に排出されます。
分解された脂肪細胞は、老廃物として尿や汗から排出されるため、施術後は水分をしっかり補給することが重要です。
脂肪が体内で分解される過程は時間がかかるため、施術後すぐに効果を感じるわけではなく、1〜2週間程度で少しずつ脂肪が減少していきます。
適切なケアを行うことで、スムーズに脂肪が体外へ排出され、理想のシェイプを手に入れることができます。
効果を実感するまでの回数
脂肪溶解注射の効果が現れるまでは個人差があり、効果を実感するまでの回数は、施術部位や個人の脂肪量によって異なります。
また、施術範囲が小さな部位や脂肪の少ない部位では早期に効果が現れることがあります。
一般的には、顔の場合は2〜3回、ボディの場合は3〜5回の施術が必要です。
1回の施術で劇的な変化を期待するのは難しく、数回の施術を重ねることで徐々に効果が現れます。
また、施術の間隔は2〜3週間程度空けるのが一般的で、無理のないスケジュールで行うことが推奨されます。
最終的な理想の仕上がりを得るためには、医師との相談の上、適切な回数と間隔で施術を行うことが大切です。
顔痩せには脂肪溶解注射と脂肪吸引のどちらがおすすめ?
顔痩せを目指す場合、脂肪溶解注射と脂肪吸引のどちらが適しているかは、個々のニーズや脂肪の量によって異なります。
脂肪溶解注射は、少量の脂肪を減らしたい方や、ダウンタイムを少なくしたい方に適しています。
一方、脂肪吸引は、より劇的な効果を求める方や、一度に大量の脂肪を除去したい方に向いています。
ただし、脂肪吸引は外科手術であり、全身麻酔やダウンタイムが必要なため、リスクも伴います。
どちらの施術が自分に合っているかは、医師とのカウンセリングを通じて判断するのが最良です。
まとめ
脂肪溶解注射は、手軽に部分痩せができる効果的な施術ですが、効果が現れるまでには時間がかかり、複数回の施術が必要になる場合もあります。
また、ダウンタイムや副作用、リバウンドのリスクもあるため、施術を受ける前にしっかりとしたカウンセリングを行い、信頼できる医師に施術を依頼することが大切です。
アリエル美容クリニック大宮院では、最新の脂肪溶解注射を用いて、効果的かつ安全な施術を提供しています。
施術を検討している方は、ぜひ専門のクリニックで相談し、最適なプランを見つけてください。