ほうれい線が気になる!原因や対策法を紹介
監修医師プロフィール
アリエル美容クリニック 院長/医師
鈴木桂介
- 帝京大学医学部医学科 卒業
- 順天堂大学練馬病院
- 越谷市立病院
- 都立大塚病院
- 大手美容クリニック 川越院院長
- アリエル美容クリニック開業
ほうれい線が目立ってきて改善させたい人もいるでしょう。ほうれい線は元からあるしわですが、さまざまな原因によって目立ち、見た目年齢を引き上げてしまいます。
本記事では、ほうれい線の原因について解説したうえで、自分でできる対処法と美容医療の治療法を紹介します。ほうれい線治療のよくある質問もまとめているので、ほうれい線を改善したい人はぜひ参考にしてください。
ほうれい線が気になる!原因や対策法を紹介
ほうれい線はなぜできるの?原因は4つ
ほうれい線とは、鼻の横から口の横に向かって「ハ」の字形にできるたるみじわのことです。
医学的には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれます。
若い方でも存在するしわですが、深くなって目立ってくると見た目年齢を引き上げるおそれがあるため、肌悩みの一つとして有名で、改善したい人も多いでしょう。
ほうれい線ができる原因を以下に4つご紹介します。
- 加齢
- 表情筋の衰え
- 乾燥
- 紫外線
それぞれ解説します。
加齢
加齢によって皮膚の構造を支えるコラーゲンやエラスチンの生成が減少します。
すると、支えが弱まった皮膚がたるんで、ほうれい線が目立ちます。
コラーゲンやエラスチンは皮膚の真皮という場所に存在し、その表面の表皮を支える役目です。
女性ホルモンがコラーゲンやエラスチンの生成を促進させており、加齢によって女性ホルモンが減少することでコラーゲンやエラスチンも減少します。
その結果、構造が弱まった真皮が表面にある表皮を支えられなくなり、しわが目立つようになります。
表情筋の衰え
表情筋が衰えると、ほうれい線が目立つようになります。
表情筋の筋力が弱まると、表面に存在する脂肪組織や、真皮、表皮などの組織を支えきれなくなるためです。
笑ったり、会話をしたりするなどの表情筋を動かす機会が減ると表情筋が衰えて、たるみが生じほうれい線が目立ちやすくなります。
近年では、マスクをする機会が増えたため表情筋を使う機会が減ったともいわれており、筋力が落ちる可能性が高いので注意しましょう。
乾燥
乾燥は肌の大敵であり、ほうれい線などのしわにも影響を与えます。
乾燥によって表皮のキメが悪くなり、角質層がはがれてバリア機能が低下すると水分が蒸発しやすくなります。すると、水分が逃げた影響で弾力やハリが悪くなり、しわが生じるのです。
気温や湿度の変化だけでなく、紫外線でも表皮にダメージを与えるので乾燥の原因の一つです。
スキンケアを行って保湿力をあげて乾燥を防ぎましょう。
紫外線
紫外線は乾燥だけでなく肌の真皮にもダメージを与え、しわの原因になります。
紫外線が肌に当たると、真皮のコラーゲンやエラスチンなどの肌の土台となる成分を変性させ、肌を支える力を低下させるためです。
それだけでなく、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞も変性させ、生成能力を低下させます。
その結果、コラーゲンやエラスチンの肌を支える力が減少するので、しわが目立つようになります。
自分で取り組めるほうれい線の対処法
ほうれい線は自分で取り組めば、対策することも可能です。
自分でも取り組めるほうれい線の対処法を以下に4つご紹介します。
- 丁寧なスキンケア
- 紫外線対策
- 表情筋のトレーニング
それぞれ解説します。
丁寧なスキンケア
スキンケアはメジャーな対策の一つであり、ほうれい線には有効です。
スキンケアの方法として以下の2つをご紹介します。
- 保湿をして乾燥ケアを行う
- しわ改善化粧品を使う
先述した通り、乾燥はしわを悪化させる原因の一つなため、乳液や化粧水を使って保湿をすると対策できます。
乾燥を原因とする小じわから大きくて深いしわに進行するおそれもあるので、丁寧な保湿ケアをして乾燥しないようにしましょう。
また、しわ改善化粧品は厚生労働省が認めた有効成分が含まれる医薬部外品です。
普通の保湿クリームや化粧水などと違い、科学的に認められた有効成分が含まれているため、高いしわ改善効果が期待できます。
とくに、乾燥やキメの乱れを原因とする小じわに効果があるとされています。
深いしわを防ぐために活用すると良いでしょう。
紫外線対策
肌の老化の原因でも影響が大きいとされているのが紫外線です。
しわの改善を図るには紫外線の対策が重要になります。
紫外線はダメージの蓄積なので、どれだけ肌に紫外線を当てないかが重要です。
体感できる効果は日に焼けなかったくらいしかありませんが、日焼けがなければ、肌の中ではダメージを防げています。
日焼け止めクリームだけでなく、つばの広い帽子や日傘などを活用して直接肌に日が当たらないようにしましょう。
実感は少ないですが、日々の積み重ねが紫外線のダメージから肌を守れます。
表情筋のトレーニング
表情筋の衰えが原因のしわであれば、筋力トレーニングで改善できる可能性があります。
頬から口の周りにかけての筋肉を鍛えるのが重要で、舌を動かす運動や表情を大きく動かす運動などが有効といわれています。
とくに、舌回しトレーニングは筋力を鍛えるだけでなく、表情を大きく動かさないのでトレーニングによるしわの悪化を防げるのでおすすめです。
舌回しトレーニングの方法を以下に紹介します。
- 舌を歯茎と唇の間に入れる
- 歯茎をなぞるように1回転させる
- この動きを右回り20周、左回り20周する
- 左右20周ずつを3セット行う
地味な動きな割に、はじめは辛いと思います。
小顔効果も期待できるので、しわ改善・小顔効果の美顔を目標に頑張りましょう。
ほうれい線におすすめの治療法は3つ
ほうれい線が目立って気になる場合は、皮膚がたるんだりしわが深かったりしています。
治療法もそれらを根本的に改善できる効果が期待できるものを選びましょう。
ほうれい線におすすめの治療法を以下に43つご紹介します。
- 糸リフト
- ハイフ
- ヒアルロン酸
- フェイスリフト
紹介する上記3つの治療法はメスを使わないため、体への負担が少なくダウンタイムが短い治療法です。
一方でフェイスリフトはメスを使いダウンタイムも長くなりますが、効果もより強くなります。
それぞれ解説します。
糸リフト
糸リフトは、専用の糸を皮下に通し、コグと呼ばれるトゲで引っ掛けてこめかみ方向へ引き上げる施術法です。
リフトアップ効果やたるみの改善、ハリ・弾力アップ効果が期待できます。
概要 | トゲのついた糸を皮下に引っ掛けて、こめかみ方向へ引っ張ることで、リフトアップとハリ・弾力アップ効果を期待する |
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ダウンタイム | 1~2週間 |
副作用 | 痛み、腫れ、内出血、引きつり感など |
必要な回数 | 気になった際には再度施術 |
施術できない人 | 妊娠・授乳中、肌トラブル、金の糸リフト施術後 |
頬骨の目立ちを緩和させたり、より強いしわ改善効果を期待する場合は、ヒアルロン酸を併用すると高い効果を実感できるでしょう。
近年では他の施術や検査への対応、感染しにくさなどのメリットから溶ける糸が主流です。
たるみの予防効果は半永久的、リフトアップ効果は1~3年といわれています。
ハイフ
ハイフは、超音波を施術部位の筋膜(SMAS層)に照射して刺激を与えることで、施術部位のシェイプアップや引き締め効果が期待できる施術法です。
ハイフの特徴は以下の通りです。
概要 | 施術部の筋膜(SMAS層)に引き締め効果が期待できる超音波を照射する |
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ダウンタイム | ほぼなし |
副作用 | むくみ、水ぶくれ、やけどなど |
必要な回数 | 6ヶ月から12ヶ月おきに続けることを推奨 |
施術できない人 | 妊娠・授乳中、アトピー、ケロイド、基礎疾患、金属挿入後、肌トラブル |
糸リフトの施術2~3か月後に併用可能で、より強いしわ改善効果が期待できます。
効果持続期間は、6~12か月。効果を持続させたい場合は定期的な施術を検討しましょう。
頬のコケが気になる場合は、超音波の出力や当て方を工夫すると頬のコケを減らし、しわ改善効果は見込める可能性が高くなります。
熟練の腕のクリニックで受けることが大切なのでクリニック選びをしっかり行いましょう。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸治療は、肌を構成する成分のヒアルロン酸を注射して、施術部位のボリュームアップ効果やハリ・弾力アップ効果を期待する施術です。
ヒアルロン酸治療の特徴は以下の通りです。
概要 | 施術部位にハリや弾力、ボリュームアップ効果が期待できるヒアルロン酸を注射する |
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ダウンタイム | 1~2週間 |
副作用 | 痛み、腫れ、内出血など |
必要な回数 | 継続して施術する |
施術できない人 | ヒアルロン酸アレルギー、妊娠・授乳中、ケロイド、基礎疾患、肌トラブル |
ヒアルロン酸注射は、注射直後から効果を実感できる施術法です。
1週間程度で馴染みだし、1~2年かけて徐々に体内に吸収されます。
効果を持続させたい場合は、定期的な施術が必要です。
ほうれい線治療の症例写真
ほうれい線治療についてのよくある質問
ほうれい線治療についてのよくある質問を「糸リフト」「ハイフ」「ヒアルロン酸」について解説します。
ほうれい線治療のよくある質問を以下に4つご紹介します。
- 施術はどれくらい料金がかかりますか?
- 妊娠中でも施術は可能ですか?
- ほうれい線は完全になくなりますか?
- 美容医療がはじめてなので不安です…。
それぞれ解説します。
施術はどれくらい料金がかかりますか?
ほうれい線治療の料金の目安を以下の表にまとめます。
施術の種類 | 料金の目安 |
---|---|
価格の開きの原因 | 糸リフト |
5~30万 | 糸の種類や本数 |
ハイフ | 5~10万円 |
施術範囲 | ヒアルロン酸 |
3~8万円 | ヒアルロン酸の種類 |
どの施術法も薬剤や施術機材を良いものにしたり、施術範囲を広くしたりすると高くなる傾向があります。
また、オプションの麻酔の追加や割引キャンペーンなどで料金は変化するので確認しましょう。
妊娠中でも施術は可能ですか?
糸リフトやハイフ、ヒアルロン酸を含む多くの美容医療は、妊娠中は施術できません。
母子ともに施術の影響のおそれがあるからです。
授乳中は場合によって施術可能です
どの期間から施術できるようになるかは電話やメールなどでクリニックに確認すると良いでしょう。
ほうれい線は完全になくなりますか?
ほうれい線はほほと口元の境界線で赤ちゃんでもわずかにあるシワのため、完全になくすことはできません。
糸リフトやハイフ、ヒアルロン酸などの施術を受ければ、セルフケアよりも強い効果でほうれい線を目立たなくできる可能性があります。
しかし、しわの抑制効果を強くすると、不自然な表情になる可能性があるので、カウンセリングで十分に相談してから施術を受けましょう。
美容医療がはじめてなので不安です…。
美容医療は顔に注射をしたり、超音波を照射したりする施術なので不安になる方もいるでしょう。
今回ご紹介した施術の中で、糸リフトやハイフ、ヒアルロン酸などの美容医療であれば、メスを使わないので体への負担が少ない施術法です。
定期的な施術をしなければもとの状態に近づくので、途中でやめることも可能です。
美容医療は不安だけど、ほうれい線のしわを改善したい場合は、電話やカウンセリングから相談してみると良いでしょう。
まとめ
ほうれい線の原因は以下の4種類です。
- 加齢
- 表情筋の衰え
- 乾燥
- 紫外線
上記の4つの原因に対して対策を行うとより効果的です。
セルフケアでできる対策は以下の4種類です。
- 丁寧なスキンケア
- 紫外線対策
- 表情筋のトレーニング
- 美顔器の活用
セルフケアよりもより強い改善効果を期待するのなら、美容医療を受けるのが良いでしょう。
ほうれい線に有効とされる治療は以下の4種類です。
- 糸リフト
- ハイフ
- ヒアルロン酸
- フェイスリフト
ほうれい線を治療で改善したいのであれば、カウンセリングからでも相談してみてください。
より強いほうれい線の改善効果を期待するなら、上記の43つの治療法の併用も検討できます。
ほうれい線の状態に合わせて治療法を検討し、スケジュールを組めるのでおすすめです。
カウンセリングからアフターフォローまで一貫したほうれい線治療が可能なのでぜひ検討してみてください。